iPhoneとiPad、2015年はどうなる? アップルの新製品戦略を大胆予測

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それでも28ワット枠を使う可能性を否定できないのは、繰り返すようだがiPadの位置付けが、よりパソコン的な使い方を意識したものになってくる可能性があるためだ。アップル自身が今後、iPadをどのように位置付け、どのような方向に進化させていこうと考えているかが、新型MacBook Airの仕様に影響を与えていると思う。

そして新型MacBook Airが28ワット枠を採用するならば、MacBook Proの13インチモデルは、その役割を終えることになる。なお、現行MacBook Airにある13インチモデルは新モデルでは引き継がれないと思うが、11インチモデルは低価格モデルとして継続販売される可能性が高い。

「iPhone 6c」が発売されるかも

最後がアップルの屋台骨を支える最重要製品であるiPhoneだ。しかし、iPhoneは現時点で非常に予想しにくい。

iPhoneは年に1度のモデルチェンジを繰り返しつつ、機構デザインの基本は2年に1度の更新が行われてきた(初代機を除く)。そうした意味では、大幅な機構デザインの変更が2014年に行われ、さらには画面サイズの追加まで行われた後だけに、2015年はマイナーチェンジと考えるのが妥当である。

しかし、同時にiPhone 5と同じ4インチの小型iPhoneが追加されるという噂も根強くある。あちこちで情報が出ているため、iPhone情報を積極的に集めている方ならば、これまで何度も耳にしてきた話のはずだ。

またぞろ「アップルの迷走」という声が聞こえてきそうだが、アップルはiPhone 5Sを低価格モデルとして継続販売している。これを2015年のモデルチェンジ期に継続するのではなく、別製品として設計するのであれば、小型iPhone 6がその位置に置かれても不思議ではない。そもそもiPhone 5S自身が、その役割を果たしているとも言えるからだ。

その場合、ローコストモデルとして作られたiPhone 5cの失敗もあって、小型低価格ではあるが、過度にコストダウンの印象を持たれない、いわば自動車で言うところの”プレミアム・コンパクト”に近い位置付けになるのではないか。

アップルは中国市場での拡販を目指し、中国の通信規格に対応する端末を開発、プラスティック筐体と1世代前の性能を持つiPhone 5cを投入したが、現在の中国市場は低価格の地元メーカーが急伸。市場を占有しているため、海外ブランドのスマートフォンにはハイエンド市場しか挑戦権が残されていない状況だ。

あくまでも、プレミアム製品であるiPhoneの序列の中にあってのアフォーダブルなコンパクト(しかし質感やイメージは落とさない)モデル。そう考えれば、あながち小型iPhone 6、つまりiPhone 6c(compact)を投入する可能性も否定できないように思う。

もっとも、”追加されても不思議ではない”=”追加されるべき”かどうかは、アップル自身がiPhone市場にどう刺激を与えたいかに依存している。アプリの流通や他機器との連携、コンテンツ事業を含め、エコシステムを独自に作り上げているアップルだけに、プラットフォームをどう形作っていくかは自分でコントロールできる。とはいえ、今年の戦略をそのまま継続するだけでは、さらなる右肩上がりは描きにくくなるだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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