グループの結束よりも株主の利益が優先され始めた。
「三菱金曜会は親睦団体。事業のことはいっさい話さない」「同じ三菱といえども各社は独立している。グループで経営に関わることはない」。三菱の幹部に取材すると、“なれ合い”を否定する答えが返ってくる。だが、各社は本当に「独立」した経営を徹底しているのか。コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から検証してみた。
指標となるのが、外部の視点から経営を監視する役割が期待されている社外役員の出身企業だ。まず本誌は、直近の定時株主総会で新任・再任に対する賛成率が85%以下となった、「三菱グループ主要企業出身」の社外役員を抽出した(下表)。賛成率の低さに着目したのは、その社外役員に何らかの問題があると株主に判断されたと考えるからだ。
元幹部らが社外役員を務める社名を見ると、三菱倉庫、三菱UFJリース、三菱マテリアル、ピーエス三菱、ニコン、キリンホールディングス(HD)など、三菱系企業が並んでいる。
賛成率ワースト1位は、マツモトキヨシHDの社外取締役である木村惠司・元三菱地所会長だった。取締役会への出席率が7割と低いことで反対票が集まった。その反省から同社は取締役会の日程を調整、「出席率は前年より大幅に改善している」という。
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