三菱グループ御三家の一角、三菱商事はこれまで、経営が厳しくなった三菱系企業に対して、自社の事業とのシナジーが見込めれば資本と人材を供給し、再建してきた。例えば三菱自動車。2004年にリコール問題などで危機に陥ったときも三菱商事が支援した。当時、三菱商事の執行役員だった益子修氏が自動車の常務に就き、現在も会長を務めている。それとオーバーラップするように三菱商事が今、経営再建に注力しているのが大手プラントエンジニアリング企業、千代田化工建設だ。
「相応の自信を持っての決断だ」。そう語ったのは三菱商事の垣内威彦社長。千代化への経営支援を公表した19年5月の発言だ。
千代化は18年度に2149億円の最終赤字を計上。債務超過(自己資本がマイナスの状態)に陥った。そこで筆頭株主の三菱商事が優先株の引き受けや融資で1600億円、三菱UFJ銀行が200億円の劣後ローンで支援した。
さらに、三菱商事でプラント畑を歩んできた大河一司元常務が千代化の会長兼CEO(最高経営責任者)に就任。三菱商事OBなど30人程度が千代化の一員となった。最重要課題は、プラント受注時のリスク管理の甘さを廃し、リスクマネジメント体制を強化することだ。
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