有料会員限定

相次ぐ三菱系企業の不振、総掛かりで支援に臨む 三菱グループ各企業の今|三菱商事

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
拡大
縮小
千代田化工が大幅損失を出した米キャメロンLNG。夏までに完工の見通しだ(提供:Cameron LNG社)

特集「三菱 150年目の名門財閥」の他の記事を読む

三菱グループ御三家の一角、三菱商事はこれまで、経営が厳しくなった三菱系企業に対して、自社の事業とのシナジーが見込めれば資本と人材を供給し、再建してきた。例えば三菱自動車。2004年にリコール問題などで危機に陥ったときも三菱商事が支援した。当時、三菱商事の執行役員だった益子修氏が自動車の常務に就き、現在も会長を務めている。それとオーバーラップするように三菱商事が今、経営再建に注力しているのが大手プラントエンジニアリング企業、千代田化工建設だ。

「相応の自信を持っての決断だ」。そう語ったのは三菱商事の垣内威彦社長。千代化への経営支援を公表した19年5月の発言だ。

千代化は18年度に2149億円の最終赤字を計上。債務超過(自己資本がマイナスの状態)に陥った。そこで筆頭株主の三菱商事が優先株の引き受けや融資で1600億円、三菱UFJ銀行が200億円の劣後ローンで支援した。

さらに、三菱商事でプラント畑を歩んできた大河一司元常務が千代化の会長兼CEO(最高経営責任者)に就任。三菱商事OBなど30人程度が千代化の一員となった。最重要課題は、プラント受注時のリスク管理の甘さを廃し、リスクマネジメント体制を強化することだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
三菱 150年目の名門財閥
インタビュー/早稲田大学ビジネススクール 教授 入山章栄
三菱重工の解けない呪縛
産業遺産から、秘密の「迎賓館」まで
Part4 世界に誇る三菱遺産 これが三菱の「至宝」だ
銀行、商事は退職後も安泰
役員への昇進で早稲田に勝利
慶応閥を支える日本最強の同窓会
三菱と大学の意外な関係
成蹊、慶応、東京海洋
時代の荒波を乗り越えた名門財閥ならではの秘話
すごすぎる三菱の福利厚生
結婚の世話から「保活」まで
Part3 三菱エリートのカネと出世
誌上講義|東京大学名誉教授 武田晴人
三菱グループ各企業の今|ニコン
三菱グループ各企業の今|キリン
三菱グループ各企業の今|三菱地所
三菱グループ各企業の今|三菱電機
三菱グループ各企業の今|三菱UFJFG
三菱グループ各企業の今|三菱商事
三菱グループ各企業の今|三菱重工業
株価を最も上げた敏腕社長は誰?
落ちた三菱、伸びた三菱はどこだ?
Part2 グループ企業の経営力
インタビュー/三菱UFJフィナンシャル・グループ 会長 平野信行
インタビュー/岩崎彌太郎の玄孫 元衆院議員 木内孝胤
三菱「近代化」のキーパーソン
土佐の「地下浪人」から最強財閥へ
金曜会企業の6割が本社を構える
乱立する三菱グループ出身の社外役員
インタビュー/三菱重工業 会長 宮永俊一
Part1 三菱ムラの結束力
三菱 150年目の名門財閥
その「潜在力」と「山積する課題」
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内