日韓関係に深く刺さるとげを日本企業は抜き取ることができるか。
戦前から続く日本の有力企業が日本経済の発展に大きく貢献してきたのは間違いない。一方で、日本近現代史の負の面にも深く関与してきた。その代表例が、三菱も当事者として関わる元徴用工への賠償問題である。
徴用工とは何か。戦前、戦時体制に必要な労働力の確保が最大の問題となっていた日本が、1938年に国家総動員法を制定して以降、朝鮮半島や中国などで募集した労働者のことだ。方法は、募集から官あっせん、徴用と戦局によって強制的な性格を強めた。
彼らの多くは、主に三菱重工業や日本製鉄といった大手企業の軍需関連工場や炭鉱などに送られた。47年に大蔵省(当時)が作成した資料では、動員数は72万4787人とされている。韓国政府は元徴用工として22万6000人を認定している。
問題となったのは、韓国に住む元徴用工らが90年代以降、当時の賃金未払い分の請求や強制的な労働に対する苦痛などへの賠償を求め、日本国内で提訴してからだ。中国人の元徴用工も同様の裁判を日本で起こした。日本政府や企業が元徴用工に補償や賠償をすべきかが問われているのだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら