いつ起きてもおかしくない首都直下地震。だが、対策事業は予定より遅れている。
死者2万3000人、負傷者12万3000人、帰宅困難者800万人──。
首都直下でマグニチュード7クラスの地震が起きたときの首都圏での最大被害想定だ。内閣府の中央防災会議が東日本大震災を受けて2013年に最終報告としてまとめた。この巨大地震が発生する確率は「今後30年間で70%程度」と予測されている。
首都圏で最も被害想定が大きいのは東京都だ。都は、地震に関する地域危険度を開示している。都内5177町丁目について、建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難度の3つの視点で評価、それらを組み合わせた総合危険度をおおむね5年に1度公表している。最新第8回の調査結果は18年3月に上図のように示された。
危険度の高いランク5、4、3が多いのは山手通り(環状6号線)と環状8号線の間。とくに東京北東部に多くある「木密」と呼ばれる木造住宅密集地域とほぼ重なっている。木密でひとたび火災が起きれば、広域に延焼していくのは想像にかたくない。実際、1995年の阪神・淡路大震災では、木密の多かった神戸市長田区で約52万4000平方メートルの床面積が焼失した。地震による被害を抑えるには、木密での火災を防ぐことが欠かせない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら