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膨らむ防災対策費と財政のせめぎ合い 財政難|抑制されてきた公共事業がここにきて拡大方向

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(gandhi / PIXTA)

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防災対策への財政支出が巨額になっている。

2019年末に安倍政権がまとめた新総合経済対策。財政支出の総額は19年度補正予算と20年度予算を合わせ13.2兆円に上る。対策の目玉は、災害復旧と防災・減災だ。ここに5.8兆円の財政資金を投入する。

新経済対策の閣議決定後、西村康稔・経済再生担当相は「昨今の災害多発を受け、安倍首相も私も公共事業費のレベルを一段上げるイメージを持っている。『防災・減災のインフラ事業は1ドルの投資が4ドルの利益を生み出す』という世界銀行のリポートも、最近出ている。(災害前の投資のほうが災害後の被害や復旧より)結果的にコストが安くなる」と語り、公共事業の拡大に意欲を見せた。

下図に見るように、人口減少を背景に長年、抑制されてきたのが日本の公共事業だ。だが、ここにきて防災・減災という拡大方向のベクトルが存在感を高め、公共事業全体の方向性は見えにくくなった。今後、どこへ向かうのか。

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