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ライフ #認知症とつき合う

認知症と生きる英国の知恵 「本人」も共同研究者に

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国際アルツハイマー病協会国際会議で講演するジェリー・ウィリー氏(撮影:馬籠久美子)

認知症になってからどう生きるか。そんな問いが世界を駆け巡っている。

今年7月、米国シカゴで開かれた認知症に関する国際会議。65歳の元会社員、米国人のジェリー・ウィリー氏はこう語った。「3年前の診断時、医師から与えられたのは病名と薬、そして暗黒だった」。彼はうつ状態に陥り、話す能力を失ってしまったと感じ、自殺を考えたこともあったという。

だが1年半後、インターネットを通じ、世界には認知症と診断された後も生き生きと活動している人たちがいることを知った。「もし診断後に認知症になってからできることや、相談できる支援先を書いたコピーをたった1枚でももらっていたら、全然違っていたはずだ。認知症になった後も人間らしく生きる可能性や権利はある。たった5セントでできることをどうしてやらないのか」。ウィリー氏は、2012年に米国連邦政府が策定した認知症国家戦略には診断後にどう生きるかが欠けている、自分たちの声を聞いて見直すべきであると主張している。

ところで、同氏のような「話すことができる認知症の人」は、「本人に病気の自覚がなく受診を拒否して大変」などといわれてきた従来のイメージと懸け離れていると感じた人もいるのではないか。

近年、欧米でも日本でも、自分は認知症ではと疑って1人で受診する人が増えている。その中には、簡易検査法で満点の人もいれば、基準値を大きく下回る人もいる。認知症は、脳細胞が壊れて、脳の機能が低下したり誤作動したりする状態だが、その変化に最初に気づくのは本人である場合が少なくないのだ。さらに、早期診断が推奨されるようになり、「初期」で診断される人が増えている。

インターネットで知り合った認知症の仲間。日米豪で月に1度ネットを通じて会話する(撮影:馬籠久美子)

大半は普通の暮らしを継続

日本の場合、認知症と軽度認知障害とを合わせて「認知症1000万人時代」といわれるが、ウィリー氏のように不自由を感じながらも「普通の暮らし」を続けている人が大体8分の7で、徘徊(はいかい)、暴力、暴言など従来のイメージに当てはまる人は8分の1にとどまるとする医師もいる。なのに、従来の「認知症対策」は、そんな氷山の一角にばかり目を向け、水面下を放置してきたというのである。

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