「認知症はそもそも病気なのか」──。医療の最前線は今、大きな転換点にある。
認知症をめぐる医療の現場は今、大きく変わろうとしている。「認知症の本人のために何をすべきか」を、あらためて問う動きが広がっているのだ。
「地域の病院や施設などからの紹介ベースで見ると、がん末期が3割で、残りの7割が主に高齢者。その高齢者の8割が認知症の診断がついている人で、うち半分が中等度以上。利用者のかなりの部分を認知症の人が占めている」。そう語るのは、首都圏で在宅医療専門のクリニックを展開する医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長だ。
在宅で療養する人は患者ではなく生活者
佐々木氏は筑波大学卒業後、三井記念病院に勤務。その後、大学院に入学したが、院生時代に非常勤医師として在宅医療の現場を経験。自分が理想とする在宅医療を自らの手で実現したいと思い、2006年に最初のクリニックを東京都千代田区に開設した。
現在、悠翔会のクリニックは東京都を中心に11カ所。常勤・非常勤合わせて医師は76人で、常時4000人の患者を診療している。緊急事態に備え365日24時間対応の体制も構築、法人外のクリニックとの連携も進めている。
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