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「認知症治療薬頼みでは家族は救われない」 Interview|名古屋フォレストクリニック 院長 河野和彦

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こうの・かずひこ●1958年生まれ。近畿大医学部卒業。医学博士。共和病院老年科部長などを経て2009年開院。著書多数(撮影:今井康一)

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これまで30年間、多くの認知症患者を診察してきて、今も年900人の新患が全国から訪れている。長年かけて作り上げてきた認知症治療のマニュアルを「コウノメソッド」としてインターネットで無料公開しており、そのメソッドの実践医は全国各地に約370人いる。

コウノメソッドは、認知症の中核症状よりも周辺症状(BPSD)の治療を優先するというのが最大の特徴だ。周辺症状は無気力やうつ状態などの陰性症状と、暴れたり暴言を吐いたりなどの陽性症状に分かれるが、特に陽性症状をよくすることを重視している。認知症の人の4割にこのような陽性症状が見られるが、家族など介護者が最もたいへんな思いをするのが陽性症状だからだ。

クリニックを訪れる人のうち、認知症の進行そのものを止めてほしいという人は2~3割程度。それより穏やかな生活を送れるようにしてほしいというのが家族の強い願いだ。その思いに応える治療が、認知症治療では何よりも重要だと考えている。

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