進学実績で私立高校が優位だという関西の常識が崩れ始めている。大阪では私立のトップとして名を馳せる大阪星光学院と競うように、公立の北野(大阪市)が進学実績を大きく伸ばしている。
大阪府は四つに分かれていた学区を2014年度に廃止、旧学区外からも受験できるようになったため、トップの北野へは「府内の優秀な生徒が集まってくる」(大阪の大手塾)という状況だ。南北に長い大阪では、北部は北野、南部は天王寺とすみ分けていたが、「公立は北野1強状態。(大阪から和歌山にかけての)南海沿線といった府南部から進学を希望する中学生も増えている」(同)。そのため、これまで各学区のトップ層だった四條畷や岸和田、高津(大阪市)などは苦しい状況にある。
また私立の2番手校も苦境に陥っている。中学入試では、関西各地にあるトップ群の有力校に落ちた受験生が下位の中高一貫校に進学、その高校の進学実績を下支えしてきた。だが北野が進学実績を伸ばす中、「最上位校に落ちると下位の学校を受けずに、3年後の高校入試で北野を受ける層が生まれている」(大阪の私立高校教諭)という。その結果、私立の2番手以下は進学実績が下落傾向にある。「公立より私学」といわれたかつての私立優位時代に比べ、中学受験を中心に生徒確保で苦しむ中高一貫校が増えている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら