熊本県|蛮カラ気風の済々黌 英国紳士を意識する熊高
熊本を代表する公立高校、済々黌(せいせいこう)高校と熊本高校の関係は「一幹両枝」と表される。1879年(明治12)年に創立された済々黌は生徒数があまりに増えたため、1900年に分割された。このとき生まれた第二済々黌を改称したのが熊本高校で、両校は兄弟のような間柄だ。
『詩経』にある「済々多士(せいせいたし)」を校名の由来とする済々黌は、強烈な蛮カラ気風を残す学校だ。
「毎年5月の運動会前日に、新1年生全員が熊本市の商店街をパレードする伝統がある。スクールカラーの黄線(きなせん)の入った学帽をかぶり校歌を歌う」(鶴山幸樹教頭)
新しい後輩たちに校歌をたたき込む応援団は特別な存在だ。彼らは一年中、学生服にゲタ履きで登校する。現在ではゲタは正規の服装ではないが、応援団員が申請して学校は許可している。
確固たる伝統を受け継ぐ済々黌には強力な同窓会が存在する。田島朋直事務局長は言う。
「毎年5月に熊本市内のホテルで約1000人参加し、大同窓会を開催している。卒業後20年を経た同期100人くらいで運営する。その年の卒業生は無料招待され、世代を超えた交流が活発だ」
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