有料会員限定

縛られ亡くなる高齢者 「寝たきり大国」の異常 聖域5 さらば、尊厳なき終末期医療

印刷
A
A
「寝かせきり」「経管栄養」の横行など終末期医療は問題だらけ

特集「医療費のムダ」の他の記事を読む

「病院によく入院してくるのは、食べ物を間違って気道に入れて、感染を起こして熱を出した誤嚥性肺炎、あと転倒ですね。そうした出来事をきっかけに寝たきりになる人はよくいます」。

中部地方にある中規模病院に看護師として勤める和子さん(仮名、40代)はこう話す。病院全体で数百のベッド。最初元気だった高齢者も、入院が長引くと寝かせきりが原因で寝たきりから脱却できなくなる。自分での食事が日に日に困難になり、果てはへそから胃に通した管によって直接栄養補給する「胃ろう」、または鼻から胃へ管を通して栄養を入れる「経鼻経管栄養」などを使わざるをえなくなる。意識らしい意識がないまま管につながれて死を待つばかりの人が一人また一人と出る。

「ベッドに縛りつけられた高齢者」も出てくる。認知機能の低下が進むと文字どおり身動きできなくされる。経鼻経管栄養などを自分で抜いてしまうからだ。必要となる点滴、注射、酸素投与などをすべて拒絶して暴れ、手に負えなくなるのだ。「そのまま亡くなることも多いですね。ご家族もこんなふうになっているのを知っているのかな、と思います」。和子さんは常々そう感じつつ寝たきりであふれた病棟で看護に当たる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
ロシア発「合板ショック」、住宅価格へも波及する激震
ロシア発「合板ショック」、住宅価格へも波及する激震
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
医療費のムダ
Interview │ 医師 小泉俊三
保険の支払い要件は限定的だ
患者もできるエビデンス思考
医療相談のベテランがやさしく解説
»»Part2 病院・医者と賢くつき合う
聖域6 高給維持なら医療費は膨張
聖域5 さらば、尊厳なき終末期医療
極論はむしろ「確信犯」?
聖域4 肩こり、腰痛に保険使い放題
聖域3 患者は33万人、医療費年1.6兆円に膨張
「しっかり下げろ」が主流に
聖域2 「埋蔵金」を掘り起こせ!
デメリットの報道は皆無
聖域1 ニッポン過剰医療の温床
誰がどのくらい負担するのか
医療費のムダ »»Part1 これだけある医療費の聖域
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内