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全国的には無名でも、地元では圧倒的な存在感を誇る企業がある。地域経済を引っ張るだけでなく、政治や教育、文化にも大きく貢献しているのが特徴だ。日本を根っこで支えている名門企業の実態に迫る。

(本誌:中島順一郎、富田頌子、山田雄一郎)

週刊東洋経済 2017年10/28号
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»»Part1 政治とも密接な土着権力

神奈川|官房長官も頭が上がらない横浜の首領/藤木企業

船の荷物を積み降ろしする荷役会社として横浜港を取り仕切ってきた(写真は本社、撮影:今井康一)

「今までは会うたびに『おい菅(すが)くん、安倍を守ってやんなよ』と言っていたんだけど、3月に初めて言いましたよ。『菅くん、安倍はもうダメだな』って。森友学園の問題が出たときにかみさんと別れていればよかった。それも菅には言ったんだよ」

こんな歯に衣着せぬ物言いをするのは藤木幸夫氏。横浜に本社を置く藤木企業の会長だ。

横浜の首領(ドン)──。藤木氏を形容するときに、この言葉がよく使われる。藤木企業の売上高は75億円と、決して大きな企業ではない。にもかかわらず、そう呼ばれるのはなぜなのか。

理由の一つは、横浜港の仕切り役であることだ。藤木企業の創業は1923年。港の岸壁にある巨大なガントリークレーンなどを使って、船の荷物を積み降ろしする荷役を本業としている。創業当時は作業時間を予定より大幅に短縮するのが常だったことから、「藤木の早荷」と呼ばれて顧客の信頼を獲得し、事業を拡大してきた。

藤木氏は現在、港運事業者を取りまとめる横浜港運協会会長だ。また85年に開局した横浜エフエム放送の立ち上げに参加、現在も社長を務める。かつては横浜スタジアム会長でもあった。

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