東北の中核都市・仙台を擁する宮城県の中で、確固たる地位を占める老舗の同族系大企業といえば、カメイの名が浮かぶ。東北最大の石油・LPG(液化石油ガス)卸業者であり、地域一帯にグループで強大なガソリンスタンド網も構築。さらに食品、仙台トヨペットを中心とする自動車ディーラー、住関連、調剤薬局など多彩な顔を持つ一大商社だ。
同社の創業は1903(明治36)年。現社長である亀井文行氏(5代目)の曽祖父・文平氏が仙台の北東にある交通の要衝・塩釜で雑貨商を始めた。20歳で会社を起こした文平氏は日本石油(現JXTGエネルギー)が東北に販路を求めていると聞きつけ、何度も上京、弱冠25歳にして三陸沿岸の代理販売店の地位を獲得した。
以後、同社は水産業の発展とともに沿岸に次々と油槽所を開設、船舶燃料で潤った。もともとは得意先の漁業関係者に感謝の品として振る舞ったビールや焼酎の販売も始め、東北でいち早く輸入車も扱う。ビジネスチャンスをすばやく見極め果敢に参入する同社の礎は、このときに築かれた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら