ネット、AI、ブロックチェーンの先にあるテクノロジー
米MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボは、デジタルテクノロジーと人間の共存をめぐる学際的な領域を扱う研究所だ。その第4代所長を務める伊藤穰一氏は、インターネットの黎明期からベンチャー投資を通してテックの歴史を熟知する人物。テックの過去・現在・未来を聞いた。
──コンピュータとインターネットに代表されるデジタルテクノロジーは結局のところ、世界の何を変えたのでしょうか。
簡単にいうと、イノベーションを起こすためのコストが劇的に下がった、ということ。インフラとしてネットがあり、ソフトウエアはオープンソースを使うので、自分で書くプログラムはちょっとだけでいい。パソコンがあれば始められる。だから米グーグルや米フェイスブックといった企業が、大した資金もなくてもプロダクトとビジネスを作ることができた。
言い換えると、大企業やベンチャーキャピタル(VC)のようなおカネを持っている人たちは、あぐらをかいていられなくなった。だからシリコンバレーの数々の企業に投資してきたセコイア・キャピタルみたいなVCでも、最近は何百億円という大きな投資だけでなくて、小さなサイドファンドを作って500万円ぐらいから投資するようになっている。これは短期的にはコストに見合わないんだけれど、小さい額を入れてスタートアップとつながりを持っていないと、いざ大きなオポチュニティが来たときに、声がかからない。
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