「子会社であるはずの銀行がフィナンシャルグループ全体を支配する時代は終わろうとしている」。ある金融庁関係者はそう語る。
実際、最近のメガバンクの動向はこの視点で読み解くことができる。たとえば今年、3メガバンクであった銀行トップの交代。業界の評価は「3人とも小粒」で一致する。かつてどのグループも持ち株会社社長より銀行の頭取のほうが格上で、グループの顔だった。
今やこの関係は完全に逆転している(図表1)。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の平野信行社長やみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の佐藤康博社長らが情報発信力を強めている。
みずほFGは特にそれが鮮明だ。みずほ銀行新頭取の藤原弘治氏が1961年生まれなのに対し、持ち株会社の執行役員(カンパニー長)は57年前後生まれで固めている。「頭取の後は、カンパニー長に移ってくる人事ルートを想定している」(佐藤社長)。銀行はFGの一部門にすぎないとの位置づけだ。
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