従来業務のままでは銀行に未来はない
12年続いた中西勝則氏の前体制を今年6月に引き継いだ。新頭取は何を目指すのか。
しばた・ひさし●1963年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、静岡銀行入行。取締役常務執行役員などを経て現職。
──2017年3月期は外債で大幅な売却損が出ました。
これまでは市場運用部門に収益を依存してきた面があった。だが、米国債の金利が上がる状況になり、債券を含む有価証券では収益を上げづらくなっている。今後は貸し出しによる本業の資金利益と、手数料収入で収益の基盤を作っていかなければいけない。
同時に店舗網の構造改革も必要だ。スマートフォンが普及する中で消費者の行動パターンが変わっている。消費者がどんどん銀行の支店に来る時代ではない。そこでネットのチャネルを拡大する一方、対面チャネルでは店頭の記帳・決済業務のセルフサービス化などを浸透させることで、運営のローコスト化を進めていく。業務の収益性に合わせて、従業員の働き方も見直していく。
──金融庁は地方銀行に対し、ビジネスモデルの変革を強く迫っています。これをどう受け止めていますか。
5月後半から海外IRで20近くの機関投資家と会ったところ、金融庁に対する関心がとても高かった。「地銀のビジネスモデルは大丈夫なのか?」「これから収益をどうやって上げていくのか?」といろいろ聞かれたが、きちんと説明すると納得してくれた。(過熱ぎみとされている)カードローンやアパートローンについても、当行は安全なやり方でできているということを説明した。
こうして投資家が関心を持つようになったのは、地銀と金融庁の対立構造が盛んに報じられていることの影響が大きいと思う。金融庁が銀行業界に求めている内容(顧客のニーズを的確にとらえた商品・サービス提供や、担保・保証に依存した融資姿勢の転換)に違和感はない。頭取就任に当たって森信親長官の元へあいさつに伺ったが、マスコミが書くような対立の雰囲気はまったくない。長官が言いたいのは、「銀行が今置かれている環境をもっと直視してください」ということだろう。
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