これまでの送金業務は消える
2015年12月に出資総額300億円のフィンテックファンドを立ち上げたのに続き、16年10月にはブロックチェーン技術を活用した国内外為替の一元化に向けコンソーシアムを設立した、SBIホールディングス。企業横断的な「フィンテック生態系」の構築を急ぐ同社の北尾吉孝社長に、その青写真を聞いた。
きたお・よしたか●1974年慶応義塾大学経済学部卒業後、野村証券入社。ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)常務取締役などを経て99年から現職。(撮影:田所千代美)
──フィンテックファンド経由のこれまでの投資状況は?
50社ほどに約160億円を投資してきた。そのほか、SBIとして約100億円を投じている。合わせると260億円ほどだ。
──どのような成果が?
最もエキサイティングなのは、リップルという米国企業への投資だ。同社はXRPという仮想通貨を用いて、複数の中継銀行を経由せず、銀行間で直接取引できる次世代決済基盤を開発した。XRPの価値は上がっており、約2000億円の含み益が出ている。
さらに、同社の決済基盤を為替一元化コンソーシアムで活用していく。内国為替と外国為替を一体化し、全銀ネットに代わるものを構築する。送金に革命を起こす。現在は61行まで拡大しており、メガバンク3行はもちろん、ゆうちょ銀行など主要な金融機関が参加している。彼らにとっては送金コストの6割を削減できるし、利用者の便益性も高まる。
金融を変えられるのは唯一、技術革新だけだ
──この流れに乗らない銀行は厳しい状況に置かれますか?
送金の面では、事業が成り立たなくなる。利用者は「こんなに手数料を払わないといけないのか」と思う。手数料の自由化によって証券業界で個人投資家がオンライン証券会社にシフトしたのと同じ現象が起こる。コンソーシアムに入っていない金融機関を使って送金する利用者はいなくなる。
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