次世代の党は、石原慎太郎氏と平沼赳夫氏が"次世代の日本人"の利益を向上させるという名目で立ち上げた茶番であるということを、日本の有権者は悟っていたのではないかと思います。これは日本の政治システムには、より本格的で、より純粋な右翼政党が入り込む余地がないことを意味しています。次世代の党が訴えていた内容は、ファンタジーなのです。
維新の党は、同じ日本維新の会の分派ではあるものの、次世代の党のような右翼ではなく、よりテクノクラティック(技術官僚的)です。いくつかの意味において維新の党は、"より大きくなったみんなの党"だと考えられます。
――安倍首相はTPP交渉を前進させるために、農業協同組合(JA)と戦うと思いますか。
自民党の候補者たちは選挙期間中多くの時間を選挙区で過ごしました。多くの候補者がTPP、農政改革に対する反対を主張しました。そのため、自民党の議員たちは安倍首相が農政改革を真剣に断行すると判断したなら、難しい時間を過ごすことになると思います。
なにしろ、農政改革に反対の立場をとって戦った議員もたくさんいた選挙キャンペーンのたった1カ月後なのです。たった1カ月後であるにもかかわらず、「私がキャンペーン中に言ったことは覚えている。しかし今は首相が我々に対して改革のサポートを求めているので、1カ月前に言ったことは忘れてほしい」と言うのは難しい。私は安倍首相がそのようなことができるとは考えていません。
農協の力が誇張されているように思う
それは短期で見れば自民党内における彼の立場を助けることになりますが、長期的に見れば良い選択とは言えません。もしオバマ大統領が共和党議員と話を付けて交渉の全権を取り付ければ、米国は一気に交渉を進めようとする。そこで時間がかかればかかるほど、安倍首相に降り注ぐ光は弱々しいものになり、日本において改革を実行することは、難しくなっていきます。
高齢化が進む日本の農業が持続可能でないことは誰もが知るところです。私は日本において、JAの力が実際のところ誇張されているのではないかと思っています。TPPは避けられない変革のレバーとしてそこにあります。安倍首相は、彼が強力であるという理由からではなく、JAが見かけよりも弱体であるという理由から、JAの主張を支持し続ける必要がないと言えるかもしれません。
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