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独走を守れるか、楽天の迎撃策 ニッポンのトップサイトの戦略

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ショッピングサイトの雄は今、猛烈にアマゾンを意識している。

「打倒アマゾン」が三木谷社長の掲げるスローガン(8月7日の決算説明会にて)

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社内のいたる所に「打倒アマゾン」と書かれた大きなポスターが張られ、定例ミーティングには幹部社員が「打倒アマゾン」とプリントされたTシャツを着て集まる──。日本最大のショッピングサイト「楽天市場」を運営する楽天は今、猛烈にアマゾンを意識している。

とはいえ、楽天は断トツであることに変わりはない。総売り上げ、訪問者数、総利用時間などあらゆる指標で他社を寄せつけない圧倒的ナンバーワンだ。しかも、楽天とアマゾンのビジネスモデルは大きく異なっている。物流センターに在庫を持ち、受注、決済から配送までをすべて自己完結で行うアマゾンに対し、ショッピングモールの楽天市場はいわば場所貸し。ビジネスモデルが違う以上、それほどアマゾンのことを意識する必要もなさそうだ。「打倒アマゾン」は、独特の体育会系の社風から来る“お祭り”にすぎないのだろうか。

実はそうではない。アマゾンは今、急速に楽天の「おいしい部分」に食い込んできているのだ。2007年4月にアマゾンジャパンは、優良な出店者を集めてテナントサービスを開始。今では、130社以上の店が並ぶようになった。7万社以上が出店する楽天市場とは比べものにならないが、急成長企業や有力ブランドを囲い込まれてしまえば、楽天にとって面白くない。

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