豊富なコンテンツを武器に、アマゾンが独走するのか。
米国の出版業界は今、歴史的な大転換の時を迎えている。そのことを象徴する“第一の事象”は、ついに全米最強の書店チェーン「バーンズ&ノーブル(B&N)」が、アマゾンに全米首位の地位を奪われたことだ。
両者は10年以上も前から宿命のライバル関係だ。B&Nは1997年5月、アマゾンがナスダックに上場したその同じタイミングで、“アマゾンキラー”の異名を持つオンライン書店「B&N・コム」をスタート。すでにして巨大なバイイングパワーと価格競争力を誇るB&Nが時を待たずにアマゾンを葬り去る、とも言われたものだ。
創業間もないアマゾンは必死に出鼻をくじこうとした。B&N・コムが採用した購入画面が、アマゾンのビジネスモデル特許「ワンクリック購入」(住所とクレジットカード番号を記録しておき、一度のクリックで買い物が完了)を侵害しているとして提訴。その是非をめぐって反感を買いながらも、生き残りのために必死だった。
ところが、“アマゾンキラー”はアマゾンの独走を止めることはできなかった。98年9月にはナスダック上場を果たしたものの業績低迷が続き、2003年11月には親会社のB&Nの完全子会社となった。現在も同部門の売上高を公表しているが、年間4億ドル台でたゆたったままだ(下グラフの黄緑色部分)。
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