
長距離トラックドライバーは労働環境の厳しさから担い手不足が深刻だ(読売新聞 / アフロ)
「トラックドライバーを辞めたいと思ったことはない。けれど、子どもがドライバーになりたいと言ったら反対する。一つ間違ったら命を落とす仕事。親心としては賛成できない」
鹿山静男さん(50・仮名)は29年にわたり幹線輸送を担っているベテランのトラックドライバーだ。幹線輸送は、東京や大阪、福岡、札幌など各区域内の拠点に集荷担当者が集めた荷物を車両総重量11トン以上の大型トラックに詰め込んで、別の区域の拠点に運ぶ役割を担う。
中部地区の拠点から静岡県中部への輸送ルートを担っている鹿山さんは、16時から荷詰め作業を行い、21時すぎに拠点を出発する。翌未明に目的の拠点に到着して荷物を下ろす。すべての業務を終えるのは3時半から4時ごろ。洗車や食事などを済ませて6時半に就寝する。次の仕事に備えて起床するのは15時前後だ。そして今度は中部地区向けの荷物を積み込み、前日に出発した拠点へと戻る。
昼夜逆転の生活で長時間労働、しかも2日に一度しか自宅には帰れないハードな仕事だが、「定期便のドライバーなので、ほぼ同じルート、同じ時刻で勤務できる。土日は家族と過ごせているのでまだマシだ」。
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