有料会員限定

物流施設建設ラッシュで供給過剰の不安 首都圏はセーフでも近畿圏はアウト?

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

「首都圏でも昨年後半から『供給過剰じゃないか』とみんなが言い始めた」。賃貸大型物流施設の大手開発業者、米プロロジス日本法人の山田御酒社長はそう話す。在庫管理などの拠点となる物流施設は空前の建設ラッシュ。不動産サービス大手CBREによると、首都圏における2016年の賃貸大型物流施設の新規供給は36万坪、新規需要は34万坪。共に過去最高で市場は拡大している。

特集「物流が壊れる」の他の記事を読む

だが空室率に目を向けると景色が変わる。15年は3%台後半から6%台後半に急上昇し、16年も6%台後半。需要は増えているがそれを上回る供給があり、テナントが埋まらない施設が出ているのだ。数年前は、竣工前にある程度埋まっているケースも珍しくなかった。17年、18年も高水準の供給が見込まれ、一段の空室率上昇が懸念される。

施設の供給が急増した背景には、インターネット通販市場の拡大や企業の物流コスト削減の動きがある。物流拠点を新たに設置したり、効率化のために従来の拠点を集約したりする需要が高まっている。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
物流が壊れる
首都圏はセーフでも近畿圏はアウト?
物流業界の変化を陰で支える黒子
日立物流の拠点では生産性が2.5倍に
物流改革プロジェクトで配送時間短縮…
キリンとアサヒも「無益な消耗戦しない」
スマホで運送業者を手配「ハコベル」
▶▶Part3 崩壊回避へ企業も必死
最先端技術の巨額投資が水の泡に
即時配送「マジカ プライム ナウ」
家電だけじゃない、躍進するヨドバシ
最短2時間30分「ヨドバシエクストリーム」
現地ルポ・米国アマゾン最前線
あの会社が日本で「出前」を開始
▶▶Part2 膨張するネット通販
ビルができてからではもう遅い
シェアよりも採算重視で値上げ進める
アマゾンの配送でシェア拡大
モンスター化する客に辟易
再配達を減らせ! ヤマト必死の効率化
宅配ロッカー、LINEなどあの手この手
▶▶Part1 苦しむ宅配業者
物流が壊れる
アマゾンの大奔流にヤマトも悲鳴
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内