
ファウンダーの中村則雄CTOは産業技術総合研究所の主任研究員でもある(下)。指先に振動を加えるだけでバネを押したときの反発感なども再現できる(左)(撮影:梅谷秀司)
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「体感」をビジネス化する
人工的に作った刺激で脳をだまし、あたかも実際に物を触っているかのような感触を与えるのが触覚技術。ミライセンスは、振動を用いた触覚技術の商用化を進めている。
武器とするのは、ファウンダーの中村則雄CTO(最高技術顧問、52)が産業技術総合研究所で築き上げた基本特許だ。ミライセンスは振動の波形や、アクチュエータの実装についての技術を中心とした24の特許を世界各国で保有している。
振動のもととなるアクチュエータを搭載したコントローラーに触れることで、「ざらざら感やつるつる感」といった触覚、「柔らかさ、硬さ」を示す圧覚、「引っ張られる、押される」といった力覚の3つを再現できる。中村CTOは「振動を与えただけでは感覚を再現できない。重要なのは振動のアルゴリズム」と話す。
応用分野はVR(仮想現実)機器向けのコントローラーや自動車の操作パネル、医療機器など幅広い。「仮想空間上で物体に触れる感覚を再現できるため、ロボットを使った手術などにも役立てることができる」(中村CTO)。
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