東京大学発ベンチャーとして2012年に東証マザーズに上場したのがユーグレナ。藻の一種であるミドリムシの大量培養技術を基盤とした健康食品事業が拡大中。バイオジェット燃料の実用化も目指すが、さらに自らベンチャーキャピタル(VC)を設立している。その理由を出雲充社長に聞いた。
──SMBC日興証券、リバネスとともに15年に研究開発型ベンチャーを支援する「次世代日本先端技術育成ファンド(リアルテック育成ファンド)」を設立しました。その経緯は?
14年12月に東証1部に上場市場を変更した後、地方大学の教授などから「研究開発でよい結果が出たが、特許の審査請求などの費用が払えない。地元の金融機関に相談しても技術を理解してもらえない」といった相談が毎日のように寄せられた。お話をうかがい、画期的な技術でもサポートを得られないことに驚いた。
同じ大学発ベンチャーとして技術を科学的に判断して試作品を作る支援をし、それを大企業に紹介する枠組みを構築することに意義があると思った。
今でないと技術が埋もれる
ユーグレナの事業のミッションの1つは、ミドリムシ由来の食品によってバングラデシュの栄養失調問題を解決すること。それはまだ達成できず、バイオジェット燃料で飛行機を飛ばすというもう一つの目標もできていない。この2つを実現する前にVCを設立していいのか悩んだが、このタイミングで事業と並行して始めなければ、優れた技術が埋もれたままになってしまう。批判も覚悟のうえで決断した。
ファンドを通じて最先端の技術の情報が集まり、出資先の技術や事業がユーグレナの事業につながることもある。現時点では合計で18社に出資している。
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