(第42回)プロの採用コンサルタントが教える、ほかでは絶対聞けない実践的就職勉強会(1) 自己分析はいらない

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●「会って話す」就活で、知らない業界を理解して「自分軸」を作る

 ではどういう就活が成功するというのだろうか? キーワードは「会って話す」ことだ。どこで「会う」か? おすすめは「学内セミナー」に行くことだ。学内セミナー参加企業は、その大学の学生を採用する確率が高い。
 合同会社説明会でもいい。会って、見て、話してみる。できれば、自分の知らない業界を探していろいろ回るのがいい。空いているブースは、学生の知名度が低い業界や会社。行けば歓迎される。話を聞いて、質問もできる。大人と話したことが少ない学生は臆するかもしれないが、相手は「学生は(この業界、この会社のことを)知らない」とわかっているから、どんどん質問すればいい。

 「面白い」「この人はいい人」と思えば、その業界と企業を自分の志望リストに加えればよい。いまいちだと思えば外せばいい。
 たまたまその担当者とのフィーリングが合わなかっただけかもしれないが、それはそれで「出会い」なのだから仕方ない。「会って話す」ことを繰り返すことで、自分の就職に対する「軸」ができてくる。自宅で自己分析していても、自分軸は作れない。「会って話す」しかない。

 寺澤は、「就職は結婚と似ている」と言う。結婚相手を全国の適齢期の異性データベースから探す人はいないはずだ。大学、職場などでの出会いの中で「これは」と思う人間が現れてくる。就職も同じこと。就職ナビというデータベースで探しても、自分にとって好ましい相手は見つからない。

 次回は、社員と会うための方法、OB/OG訪問、多様な価値を受容する企業の見つけ方、採用担当者の判断基準などを取り上げる。
HRプロ
代表取締役 寺澤康介

1986年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。
営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。2007年採用プロドットコム(現HRプロ)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
佃 光博(つくだ・みつひろ)
早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年、(株)文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。84年、(株)ピー・イー・シー・インタラクティブ設立。87年、学生援護会より技術系採用メディア「μα(ミューアルファ)」創刊、編集長。89年、学生援護会の転職情報誌『DODA(デューダ)』のネーミング、創刊を手掛ける。多くの採用ツール、ホームページ制作を手掛け、特に理系メディアを得意とする。2010年から、「採用プロ.com」を運営するHRプロ嘱託研究員を兼務。
 
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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