実家の片付けに追われる人が増えている。「なぜこんなに物があふれているのか」「以前はあんなにきれい好きだったのに」。親との価値観の違いや世代間ギャップを実感することも珍しくない。
実家の片付けはこれまで個人や家族の問題としてとらえられ、社会的な認知度は低かった。だが、実家の片付けには多くのテーマが隠れている。不用品の処分やリサイクル、親の認知症や介護、そして相続……。悩んでいるのはあなただけではないのだ。
case1 施設入居前に1日で片付け
八代宏治さん(60代・男性)
愛知県名古屋市に住む八代宏治さん(仮名)が親の家の片付けに直面したのは、2011年5月。たった1日の出来事だった。
八代さんの母親は団地住まいをしていたが、90歳を超えて日々の生活や買い物に支障を来すようになった。「このまま一人暮らしを続けるのは難しい」。八代さんは四男一女の5人きょうだい。相談した結果、親を老人ホームに入居させることにした。
住んでいた団地は1LDKでさほど広くなかったが、「一人暮らしにしては物が多かった」(八代さん)。冷蔵庫のサイズから布団、食器の枚数も4~5人家族が住んでいるかと思うほど。ほかにはいくつもの帽子、なくしたと言っては買い足した財布がたくさん出てきた。
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