日本国民は安倍首相を信任したわけではない

国民は「不死身のベール」に穴をあけた

選挙結果で最も皮肉なのは、衆議院における議席の3分の2を連立与党が占めたにも関わらず、政府に関しても政策に関しても国民の信託を得たとはとても言えないことです。今回の結果は、政府がこれまで行ってきたことを今後も継続してよいというメッセージではありません。これまで推し進めてきた政策が、徐々に支持を失っていたことは明らかだからです。

公明党が議席数を伸ばしたことも、安倍首相の権力構造を難しくしました。仮に次世代の党が議席数を伸ばしていれば、公明党との連立を解消し、真に保守的な政権ということでの連携を模索する道もあり、そのことが公明党をけん制することにもなったでしょうが、次世代の党は大敗しました。つまり、安倍首相としては、公明党の主張に耳を傾けざるを得なくなりました。

公明党の役割は重要である

「安倍首相の奔放な衝動的行為を公明党が緩和することになるだろう」(撮影:尾形文繁)

――今後の集団的自衛権の法整備をめぐる戦いにおける安倍首相の力は強まったのでしょうか、弱まったのでしょうか。

安倍首相の奔放な衝動的行為を公明党が緩和することになるでしょう。日本が集団的自衛権を行使する是非について、今後も国民が議論し続けるだろうことは明らかです。最終的に、日本は集団的自衛権行使容認の方向にわずかに近づくことになるのではないかと私は考えています。正当化の余地があるということがその主な理由です。この問題は大急ぎで扱われるべきでないことを公明党は知っています。もし公明党が議論する準備ができているとしたら、日本国民の懸念は大いに和らぐことになりそうです。

公明党と自民党は激しく議論することになるでしょう。そしておそらく公明党は、今年の夏に見られた議論よりも、より自民党を抑制する方向で主張できるでしょう。アメリカは日本の達成力を理解するのではなく、日本が実行を同意する範囲の狭さに対して失望することになるのではないかと私は思っています。結局のところ日本国民には、東アジアにおける強くて好戦的な治安部隊になる勇気がないのです。

――日本政府は沖縄問題に対するアプローチを変えることになるでしょうか。それとも普天間基地の辺野古移設を推し進めるのでしょうか。

昨年、自民党が沖縄で高圧的な態度をとり、普天間基地の代わりに辺野古に新しい施設を作るという政府の方針を強要したのが、沖縄問題に関して安倍首相がとった唯一の行動です。その結果、自民党は沖縄における小選挙区の4議席を全て失いました。沖縄の人々は、目の前に現れる障害を全てはねのけて辺野古計画に抵抗し続けるでしょう。この計画を押し通すために政治的資本の多くを割く意志が安倍首相にあるとは思えません。彼が直接沖縄へ行き、新基地建設に向けた演説を行うのを見届けましょう。

私には、辺野古に新しい基地が建てられるとは思えません。本計画の実現可能性には十分疑う余地があると考えています。もし日本が進行を遅らせて本計画を失速させることになれば、最終的には計画を変更したほうが楽になるでしょう。

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