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信賞必罰か身内びいきか、岡藤大明神の後継は 伊藤忠の中枢は繊維部門出身のトロイカ体制

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東京・青山に建つ伊藤忠商事本社の玄関前には、今年春に設けられた小ぶりの石碑がある。そこには「ひとりの商人、無数の使命」という、岡藤正広が社長になってから採用されたコーポレートメッセージが刻まれている。

今年春に東京本社前に設けられた石碑(撮影:今井康一)

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商売繁盛を願ってさい銭を置いたり、願かけをしたりする社員も少なくないという。岡藤が社内で持っている求心力の強さはまさに神様並みだ。

「岡藤は収益に対して非常に厳しい男。彼にはカネのにおいがする。近くに寄ってかいでみたらいい」

伊藤忠元会長の丹羽宇一郎の岡藤評である。伊藤忠では社長が後任を指名するのが慣例だが、岡藤を選んだのは2代前の社長である丹羽だというのが社内での一致した見方だ。

カネのにおい──。どぎつい表現だが、岡藤をこれ以上に的確に表現する言葉もないだろう。社長になる以前の岡藤を知る取引先も「大阪商人らしく、商売、損得にはシビアだった」と振り返る。

岡藤は入社以来一貫して大阪で繊維の営業畑を歩んだ。総合商社では珍しく、海外駐在の経験も経営企画部など本社中枢での経歴もないままでトップに上り詰めた。

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