「ここまで上がるとは」。三井物産の安永竜夫社長も驚くほど、鉄鋼原料となる原料炭の価格が急騰している。今年7月に1トン当たり90ドル台だった原料炭価格は、11月には5年ぶりとなる300ドル台に一気に乗せた。投資家の関心は、豪州の原料炭事業に強みを持つ三菱商事へ一気に向かった。
三菱商事は、11月に今2017年3月期の純益予想を2500億円から3300億円に800億円引き上げた。同社は、「原料炭の価格は元に戻る前提」(三菱商事の増一行CFO=最高財務責任者)で、17年3月期の予想を立てている。しかし「原料炭価格が1トン当たり1ドル上がれば通期で20億円程度の利益が増える」と野村証券の成田康浩アナリストが推測するように、この会社予想利益で収まるとは市場は見ていない。
中国の資源爆食によりこの10年余り続いた資源バブルは、14年後半から崩壊した。市況の急落はこぞって資源権益の獲得に走った商社の決算を直撃し、ここ数年は巨額減損が日常となった。そのクライマックスを飾ったのが前期の三菱商事、三井物産の初の連結最終赤字転落だった。
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