電通が106年ぶりの最終赤字に転落した。マス媒体の地盤沈下、ネットの台頭、そして広告主の意識変化。新たな構造変化に対応できるのは、はたしてどこか。(本誌:倉沢美左、丸山尚文、麻田真衣、田宮寛之、高橋由里、高橋志津子、福井 純、日暮良一、西澤佑介、中島順一郎/野村明弘、長谷川高宏 ジャーナリスト:長谷川 敦、澁川祐子、新木洋光、漆原次郎、原 智子)
「2~3割減というレベルでなく、テレビCM予算は半減、ゼロというクライアントもいる」。都内の大手CM制作会社関係者は、春先以降の一段の受注悪化に悲鳴を上げる。
広告市場には、まさに雷鳴が響いている。足元では、製造業の減産緩和や消費者心理の改善などが報道されているが、交通費や交際費とともに「3K」と呼ばれる広告費は、企業にとって最も予算を削りやすい対象。先行きの業績悪化が明らかな中で、多くの企業は新年度の広告費を一段と削減している。
この不況の影響をまともに食らっているのが、マスメディアに掲載されるマス広告だ。テレビで37%、新聞で19%、雑誌で16%、ラジオで14%と4大マス広告すべてでシェア最大を誇る電通。同社は毎月の媒体別広告売上高(単体)を公表するが、最新の4月のデータでは、新聞の前年同月比29%減を筆頭に、雑誌28%減、テレビ18%減、ラジオ13%減と軒並み土砂降り。足元では、2ケタ成長が当たり前だったネット広告ですらマイナスの月が頻発し始めた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら