時間帯、場所、消費者の属性──。多様な要素を基に細分化した新広告メディアがリアルの世界にも出現してきた。
屋外で変幻自在の広告
60インチの巨大画面に表示された近隣のお店のリスト。好みの喫茶店をタッチすると、その場所までの経路案内が表示される――。これは、NTTと電通が実証実験中のデジタルサイネージを利用した街情報案内板の操作例だ(下の写真)。地下鉄・赤坂駅周辺などに今年2月から登場し、通行人の注目を集める。
デジタルサイネージ(電子看板)とは、交通機関、店頭、公共施設など家庭以外の場所で、ネットワークに接続したディスプレーを使って情報発信するシステムのこと。もともとは、空港でのフライトインフォメーションや高速道路での渋滞情報など、情報提供媒体として普及した。
紙媒体との最大の違いは、ネット接続により何度でも内容の変更が可能な点。「朝は清涼飲料、夜はビールの広告」「渋谷では若者向け」など時間や場所の特性を生かしたきめ細やかな広告配信ができ、効果の高い媒体として注目を集めている。
液晶パネルの価格下落や、通信の大容量・低価格化も追い風となり、市場の急拡大も予想されている。調査会社のシード・プランニングによると、2008年の市場規模は559億円。これが15年には1兆円を突破する見込み。同社の加藤鈴佳主任研究員は「新聞、テレビ離れが進む若年層への接触率が高いことが魅力」と、その背景を語る。
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