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対談 婚活ブームを総括しよう 結婚の条件整備まで議論が深まらなかった

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2008年に始まった婚活ブーム。あれから8年、未婚を取り巻く問題はまったく改善していない。なぜか。

しらかわ・とうこ●1961年生まれ。相模女子大学客員教授。内閣府の少子化社会対策大綱有識者委員、一億総活躍国民会議民間議員などを務める。著書に『「専業主夫」になりたい男たち』など。
ふじた・たかのり●1982年生まれ。聖学院大学客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。首都圏で生活困窮者の支援を行うソーシャルワーカー。2011年にほっとプラスを設立。(撮影:今井康一)

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──婚活ブームでも未婚の増加は食い止められませんでした。

白河 実は私は、婚活ブームに大きな反省があります。山田昌弘先生と婚活という言葉を提唱し、世論を喚起したけれど、主張は半分しか伝わらなかったのです。

伝わったのは「受け身ではもう結婚が難しい、何か行動しよう」ということ。昔の日本には、本人が受け身でも周りが結婚へ導くシステムがあった。たとえば社内結婚は一種の集団お見合い。こういったシステムの恩恵で日本人の97%が結婚していました。しかしそんな先進国は世界的になく、日本ももはやそうではありません。この点にみんな飛びついた。「このままでは結婚できないかも」と漠然と思っていたので。

一方、伝わらなかったのは結婚のリデザイン(再設計)。もう昭和の男性稼ぎ型結婚は通用しない、このモデルから脱却する必要があるということです。本当はこちらを強く訴えたかったのに、誤解されたまま婚活ブームが広がりました。

藤田 誤解とは?

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