
「欲望のトレッドミル」に要注意
「40〜50代になっても独り身だと想像すると、少し不安。もっとも、平日は仕事で忙しいが、自由な時間ができれば趣味の旅行に費やしている」
人間は、幸不幸にかかわらず置かれた状況に慣れてしまうもの。それが本当に幸福なのかどうか判断する機能も徐々にマヒしていってしまう。
「欲望のトレッドミル(踏み車)」といわれる概念だ。ルームランナーや自転車操業の会社のように、行為そのものが目的化してしまった状態を指す。恋愛についても、彼女のいない状態が続くと、喪失感すら感じなくなるのかもしれない。
また、男性は女性より「楽観主義」であることもわかっている。「いずれ結婚できるさ」と根拠のない自信にとらわれ、婚活したい気持ちから逃げていないか自問自答するべきだ。

「損失回避性」が原因と心せよ
「フリーターの彼氏と同棲し、家賃や生活費は私が負担している。彼は『正社員になったら結婚しよう』と言うものの、定職を見つけるわけでもない。でも、思い切って別れることもできない」
過去の累積費用が現在の行動に影響を及ぼす「サンクコスト」に、悪い意味で縛られている。別れて新たな恋人を探す自由よりも、恋人がいない状態の続く不幸を恐れている。
さらに、早く別れていれば得られたはずの別な彼氏という「利益」(機会費用)を失い続けたことでも、尻込みが強まる。何もしないで現状を維持するほうが落ち着く。これを「損失回避性」という。
利益は早く確定させたいが、損の確定は後回しにする。損失だと認めたくない気持ちが、損を大きくしてしまう。別れ時が肝心だ。

「現状維持バイアス」を脱せ
「結婚すると自由な時間がなくなるかもしれないし、ほかにもっといい相手が見つかるかもしれないので、今の彼女との結婚はまだ決心できない」というのが、彼のお悩み。
行動経済学では、うまくいくかわからない場合に、変化して失敗するよりも何もしない現状維持が好まれる。この傾向を「現状維持バイアス」という。
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