スポーツジムに月1万円。酒は缶チューハイか発泡酒を1日3本まで。神奈川県に住む介護福祉士のユウタさん(39。以下、本文中のカタカナ人名はすべて仮名)のささやかなぜいたくだ。
39歳といえば、同世代の6割超が結婚している年齢だ。だがユウタさんには10年以上、結婚はおろか恋人もいない。「自分が大黒柱として家計を担い、奥さんには専業主婦として家を守ってもらう。それが僕にとっての理想の結婚。子供も絶対に欲しい。でも、今の仕事をしているかぎりは無理だと思っています」。
年収は280万円。専門学校を卒業して以来、この道一筋のベテラン介護士だが、勤務先は数年周期で複数回替わっている。「この業界では、同じ職場に長くいても給料はほとんど上がらない」というものの、転職を繰り返しても年収の大幅アップには至らなかったようだ。今の職場もボーナスや退職金がないため、そろそろ辞め時かと思っている。
生活費負担は重くない。定年退職した父(69)と二人暮らしで、毎月3万円を家に入れるほかは、年金でやり繰りしてもらっている。父の現役時代の年収は約1000万円だったから、それに応じて年金額も高い。住まいも父の持ち家だ。「たとえ好きな人ができても、もう結婚しなくてもいいかな」。近頃、そう思い始めている。
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