未婚者の増加に対して、「困ったものだ」「日本の将来はどうなっていくのか」という声を聞く。そこには、未婚者に対する批判が含まれていることも少なくない。
確かに、未婚者の増加が社会に与えるインパクトは大きい。筆者は仕事柄、公的年金制度の分析をしているが、年金制度の課題の多くは少子化が元凶といえる。たとえば年金の世代間格差も少子化が原因であり、どのような年金制度でも少子化が続けば世代間格差が広がることは避けられない。そして少子化をもたらす大きな要因が未婚化だ。
しかし、だからといって未婚者を批判するのはお門違いというものだ。結婚はあくまで私的な事柄であって、「社会のため」「年金のため」といった大義のために人は結婚するのではない。
むしろ考えるべきは未婚者が増える背景であり、本人の意思に反した未婚の増加で、社会の側に結婚を困難にする要因があるのならそれを取り除くことである。また生涯未婚者の抱える生活上のリスクへの対応も考えていく必要があろう。
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