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事実婚・同性婚を守る基礎知識 未婚カップルに法整備は追いついていない

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法的には未婚だが実際にはカップルという人たちが、権利や資産を守るすべとは。

今井多恵子(弁護士) 坂和宏展(弁護士) 市川恭子(公認会計士・税理士) 安井郁子(特定社会保険労務士) 竹下さくら(ファイナンシャルプランナー)

(イラスト:岡田航也)

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事実婚

法的に事実婚と認められるためには、婚姻意思とそれに基づく共同生活の実態が必要だ。単なる同棲だけでは事実婚とは認められない。結婚式を挙げていれば、共同生活の期間が短くても事実婚と認められやすい。また、友人らに人生のパートナーとして紹介している、お互いの親族の冠婚葬祭に出席している、住民票において未届の妻(夫)として登録されているなど複数の要素があれば認められやすい。

事実婚と認められると、夫婦として互いに協力し助け合う義務が生じる。たとえば事実婚の夫が突然、妻への生活費の支払いをやめた場合は、その支払いを求められることがある。また相手以外と性的な交渉を持ってはいけないという貞操義務も、一定の範囲で認められる。浮気をした場合には、事実婚であっても相手に慰謝料を払わなくてはいけない場合があるのだ。

また関係が終わったとき、相手の協力によって築いた財産(例・夫が働き、妻が家事を負担していた時期に蓄えた預金)があれば、妻への財産分与が認められる可能性がある。実際に、結婚式を挙げたが入籍せず、2年半夫婦として生活をした末に破局した事例で、女性への財産分与を認めた判例がある。

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