2015年は10年以降で初めて減益になった米企業。16年も原油安やドル高が利益改善に影を落としそうだ。
米国の実体経済の先行きを占ううえで重要なのが、企業業績の動向だ。米国の代表的な株価指数であるS&P500。この採用銘柄合計の1株当たり純利益は2015年7~9月期に6年ぶりの減益となった。1月下旬から同年10~12月期の決算発表が本格化しているが、ここでも市場コンセンサスでは2四半期連続の減益となる見込みだ。
不調の要因を見ると、米国経済の置かれる状況が一目瞭然となる。
まず、14年10~12月期から減益が続くのがエネルギー業界だ。原油価格の大幅下落によって本業の収益悪化だけでなく、大規模な資産評価減も余儀なくされた。経営体力に勝る大手でもシェブロンが15年10~12月期に6億ドル弱(約700億円)の最終赤字に転落したほか、油田サービス最大手のシュルンベルジェもシェール開発不振を受け、1万人の追加削減に伴うリストラ費用計上で同期に10億ドル強(約1200億円)の赤字となった。
米ゴールドマン・サックスによれば、15年のエネルギー業界全体の1株当たり純利益は、データを取り始めた1967年以降で初めての赤字を記録する見込み。エネルギー業界は文字どおり、米企業業績悪化の中心に位置する。
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