中国景気の変調と米国利上げへの警戒を背景とする8月の波乱相場は、投資信託の運用成績にも影を落とした。投信評価会社モーニングスターの朝倉智也社長が指摘するように、「グローバルREIT(不動産投信)やハイイールド債(信用力は低いが高利回りの債券)関連であれば利益を出せた状況は変わり、投信にとっても難しい相場」になりつつある。
波乱相場にも強い「勝ち組投信」を探る手掛かりとして、まずは8月の波乱相場における運用成績を見てみよう。トータルリターン(分配金再投資後の基準価格の騰落率)の月間騰落率の上位と下位は上表のようになる。
株急落と元安が中国株投信を直撃
下位に名を連ねたのが中国株を投資対象とする投信だ。中国株全体の動きを示す上海総合指数は、今年6月中旬に高値をつけるまで急上昇していたこともあり、これらの投信の運用成績も直近1年で見ると良好だった。だが、同指数は8月末までに6月高値から4割近くも急落。投信もその影響を逃れられなかった。
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