「ブラジルには十分な外貨準備があるため、ドルによってもたらされる混乱や問題は起きない」。9月26日、ブラジルのルセフ大統領が地元テレビのインタビューで語ったことが世界に発信された。大統領がこのような発言をしなければならないほど、ブラジル・レアルは対ドルで大きく下落している(図1)。
「私の持っているレアル建て債券はこのまま持ち続けていいのでしょうか?」。今まで来たことのない個人投資家からの問い合わせが、ブラジルについてのリポートを発信している日本のシンクタンク研究員の元に、メールや電話で寄せられるようになった。日本ではここ数年、レアル建ての債券や投資信託の販売が増えており、最近のレアル急落で含み損を抱えた人が少なくない。
新興国通貨の下落は深刻だ。ブラジル・レアルのほか、トルコ・リラも対ドルで過去最安値を更新。インドネシア・ルピアやマレーシア・リンギも1997~98年のアジア通貨危機以来の最安値水準にある。背景にあるのは「米国の利上げと中国経済の減速」(第一生命経済研究所の西濱徹主席エコノミスト)だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら