米格付け会社スタンダード&プアーズ(以下S&P)が9月16日、日本国債の格付けを上から4番目のAAマイナスからAプラスに1段階引き下げた。S&Pの格付けはAAAを最上位に22段階あり、上から10番目のBBBマイナスが投資適格の下限だ。
同社は9月9日にブラジル国債の格付けをBBBマイナスからBBプラスへ引き下げた。「投資不適格」の烙印を押されたブラジルの通貨レアルは9月22日には過去最安値の1ドル=4.06レアルまで下落した。
政府債務が大きい国では国債市場も巨大化し、市場の国際化とともに国債市場と為替市場の連関性が強まる。国債格付けが下がると、年金基金など機関投資家は社内運用ルールに抵触することをおそれ、当該国債や株式を一斉に売ることがある。
図1は、筆者がドル円レートの実績値から試算した2020年末までの予測結果である。まず、格付けがAプラスのまま変わらないという標準ケースでは、20年12月末までに1ドル=108円台半ばまで緩やかな円高となる。
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