有料会員限定

その時、相場は動いた 実録ディーリングルーム

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
三菱UFJ信託銀行のディーリングルーム。30人弱の為替部隊が働く(撮影:梅谷秀司)

特集「為替ショックが来る」の他の記事を読む

「米FRBの利上げや日本銀行の追加緩和なんかよりも、中国の先行きがよほど心配です」。ある総合商社の若手為替ディーラー、A氏はこう吐露する。ディーリングルームは“中国が次に何をしでかすか”で持ちきりだという。

山和証券で日本株を取引している志田憲太郎チーフディーラーは「人民元レートと上海総合指数は毎日目を皿のようにしてチェックしている」と話す。

一日の始まりは、毎朝10時台に発表される二つの数値の確認である。その日の相場を占う重要な瞬間だ。

まず10時15分。中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を公表する。切り上げたのか、切り下げたのか、中国の政策姿勢を確認する。

そして10時25分。上海証券取引所が開く5分前に、上海総合指数の「プレオープン値」が明らかになる。寄り付き前の気配値や前日比の騰落率を見れば、市場参加者の心理がわかる。彼らがリスクを取りに行くのか、それとも回避するのか。値動きはその姿勢で決まる。

関連記事
トピックボードAD