これは豊田(章男)社長にしかできない人事だ──。
トヨタ自動車の2015年度の役員体制が発表されて以降、多くの現役社員、OBがこうした感想を漏らした。慣例にとらわれない「驚愕人事」が連発されたからだ。では、一連の人事に込められたメッセージをどう読み解けばいいのか。
国内所管の副社長にフランス人を配置
最大の目玉は、初の外国人副社長となるディディエ・ルロワ専務役員(専務執行役員に相当)の昇格だ。
トヨタで外国人役員は珍しくない。世界販売台数1000万台、3兆円近い営業利益をたたき出すトヨタは世界一の自動車メーカーだ。ルロワ氏のほかにも、米国事業のトップであるジェームス・レンツ氏が専務役員を務めている。
経営中枢に少しずつ外国人を関与させてきていただけに、外国人副社長の誕生は時間の問題だった。それでも周囲が驚いたのは、ルロワ氏がトヨタの大黒柱である第1トヨタのプレジデントに任命されたからだ。
13年に導入したビジネスユニット制により設置された第1トヨタは、日米欧など先進国市場を受け持つ。そのプレジデントは担当地域に関して、トヨタブランドの車両事業の製品企画から生産、販売まで一貫して責任を負う。バーチャルなグローバル企業の社長といっていい。
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