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化けた「三代目」 豊田章男の言葉力

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現在の会社の業績は何より皆さんの努力の成果ではありますが、為替レートの追い風に助けられていることも事実です──。

4月1日、愛知県豊田市のトヨタ自動車本社で豊田章男社長は居並ぶ幹部社員にそう語りかけた。年度の始まりにあたって会社方針を説明する集まりでのことだ。

2015年3月期のトヨタの営業利益は過去最高の2兆7000億円を見込む。だが、章男社長は会社の現状について厳しい認識を示す言葉を次々に発した。

「このレベルを将来も維持していくことは決して容易ではなく、相当の努力と覚悟が必要であることを、あらためて肝に銘じてほしい」「現実を見れば、収益構造の改善はこのところやや足踏みしています」

章男社長が11年3月に打ち出した「グローバルビジョン」では、15年に1ドル=85円、販売台数750万台を前提に連結営業利益1兆円程度という目標が掲げられた。

トヨタではドルに対して1円の円安が400億円の増益要因となるため、現在は1兆4000億円ほどげたを履いていることになる。販売も予想を大きく上回っていることを考えれば、収益構造の改革はおおむね計画どおりというところだ。ここで手を緩めるわけにはいかない。

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