自動車技術に精通したジャーナリスト、清水和夫氏と、長年トップアナリストとして活躍する中西孝樹氏。業界のご意見番二人が、トヨタ自動車に辛口エールを送る。
清水和夫 国際自動車ジャーナリスト
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しみず・かずお●1954年東京生まれ。武蔵工業大学電子通信工学科卒。自動車の運動理論や安全・環境技術を中心に多方面のメディアで執筆。国内外の自動車レースにも参加。(撮影:梅谷秀司)
中西孝樹 ナカニシ自動車産業リサーチ代表
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なかにし・たかき●米オレゴン大学ビジネス学部卒。1994年以来一貫して自動車産業調査に従事。2013年から現職。著書に『トヨタ対VW』(日本経済新聞出版社)。(撮影:梅谷秀司)
──トヨタは2015年3月期に最高益を更新する見込みとなりました。同社の現状をどう見ますか。
清水 リーマンショック直後、トヨタの生産台数が2~3割落ちた。すると一気に4610億円の営業赤字に転落。自動車ビジネスの怖さを感じた。そこから立ち上がろうとしたとき、今度は米国での大規模リコール問題が襲った。豊田章男さんが副社長、社長に就任してから、トヨタは大きなチャレンジに直面した。ようやく非常事態への対応力を高めてきた。
トヨタは国内で本当に強い。販売力でも、先進技術でも。ただ商品の魅力に関して率直に言うと、自分が欲しいと思う車がまだトヨタから出ていない。米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)のようなチャレンジがまだ見られない。失敗を恐れてチャレンジしないでいると進歩もできない。
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