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今や財界の中核 自民との距離に腐心 豊田章男社長に「財界総理」への待望論

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昨年12月8日、豊田スタジアムで演説する安倍首相(時事)

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トヨタ本社がある豊田市を中心とする愛知11区は、全国屈指の民主党の票田だ。トヨタ自動車労働組合をはじめトヨタ系企業の労組の組織票を背景に、小選挙区では民主党候補がつねに勝利してきた。

それが当たり前だった選挙区に、昨年暮れの総選挙では安倍晋三首相が自民党候補の応援演説のため自ら乗り込んだ。主たる目的はトヨタ系企業に春闘での賃上げを迫るためのパフォーマンスだったとみられる。結果的には民主党の古本伸一郎候補が勝利したが、首相の応援は自民党の攻勢を強く印象づけた。

かつて民主党政調会長を務めた伊藤英成氏にとっては隔世の感がある出来事だった。伊藤氏はトヨタ労組の代表として1983年に旧民社党から衆議院選に出馬し当選。2003年まで6期20年を務めた。小選挙区制導入後は愛知11区で選挙を戦ったが、基本的に落選の心配はない議員生活だった。

ただ、自社さ連立や新党の乱立などで政界が流動化する中でトヨタ経営陣は自民との距離を詰める。00年の総選挙では当時の張富士夫社長らが自民党候補の応援に回った。ただ、このとき経営陣からは伊藤氏に「あなたを落選させはしない」というメッセージがあったという。

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