世界が追随するFCV トヨタは独走できるか

ガッチリと握手した豊田社長とマスクCEOだったが…(撮影:大澤 誠)
「未来の風を感じた」
2010年5月、電気自動車(EV)ベンチャーの米テスラモーターズとの資本・業務提携を発表したトヨタ自動車。豊田章男社長はテスラのスポーツカー「ロードスター」に試乗した感想をこう語った。豊田氏とテスラのイーロン・マスクCEOが初めて会ってからわずか1カ月での決断。文字どおりの電撃的提携は世界を驚かせた。
「テスラとの提携で、次世代車戦略の体制がさらに盤石になる」。会見で豊田氏はこうも語り、将来はハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が中心となるとしつつも、EVや燃料電池車(FCV)の重要性を強調することも忘れなかった。
多くの自動車メーカーが頭を悩ませているのが、ますます厳しくなる燃費規制の問題だ。日米欧の規制は今のところばらばらだが、20~25年には収斂し、CO2(二酸化炭素)排出量で約100グラム/キロメートル以下、燃費でいえばガソリン1リットル当たり20キロメートル前後にすることが義務づけられる見込みだ。
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