ECB(欧州中央銀行)の量的金融緩和とギリシャ金融支援問題、相次ぐ選挙と反EU(欧州連合)勢力の台頭。域外でも、ウクライナ停戦交渉をめぐるロシア、テロや移民問題の背景となっているイスラムとの関係など、欧州の内憂外患は絶えない。
EUと加盟国で金融と財政の主体が分かれているため、為替は統一通貨ユーロだが、国債や株式市場を見る際には国別のアプローチが必要になる。逆の見方をすれば、そこに投資機会があるともいえる。欧州の為替、債券、株式の見通しはどうなるのだろうか。
[為替]対ドルではユーロ安 対円ではジリ高か
ユーロ相場は2009年のギリシャショックで大幅に下落した後だいぶ持ち直して、危機が終わったかに見えた時期もあったが、債務問題から完全に立ち直ってはいなかった。根底には、金融政策は同じでもお財布(財政)が違うという構造的な問題があり、いったん相場が悪くなると長引いてしまう傾向がある。
これまでは、相対的に金融緩和的な政策を取っていた米国のドルや日本の円がユーロ相場を押し上げたが、今度は、米国が出口に向かうためドルが上昇しやすい。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら