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問われる構造改革の本気度 [フランス]聖域と化した労働市場

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フランス経済の下支え役は個人消費。実質賃金の高さなどがその背景にはある

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フランス 聖域と化した労働市場 問われる構造改革の本気度 パリ中心部のマレ地区で装飾品店を経営するユダヤ人のシャンタール・アジオさん。かつては店員を雇っていた時期もあったが、今は一人で店を切り盛りしている。「社会保障負担が重く、雇用し続けるのは難しかった」。

ドイツとともにユーロ圏をリードしてきた第2の経済大国、フランス。足元はライバルに大きく水をあけられている。

旧東ドイツから継承した“負の遺産”に苦しめられたドイツは2000年代前半、「欧州の病人」と揶揄された。だが、今ではユーロ圏で「独り勝ち」の勢いを見せる。

代わって、「新たな病人」といわれているのがフランスだ。低成長、高止まりする失業率、高い税率などが重荷となり、景気は低空飛行を余儀なくされている。

ドイツとの比較で特に目立つのが輸出面での脆弱性だ。その伸びは鈍く、世界のGDP(国内総生産)の拡大ペースを下回ったままの状態。ドイツ景気が輸出に支えられて底堅く推移しているのとは対照的だ。フランス製品は世界需要を十分に取り込めていない(図表1)。

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