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現地報告 揺らぐ「自由・平等・博愛」 シャルリー・エブド襲撃後のフランスルポ

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世界中が欧州の動向をかたずをのんで見守っている。ついに始まるECB(欧州中央銀行)の量的緩和、ギリシャ支援の行方、パリの新聞社襲撃がえぐり出した文化的・宗教的な対立、そしてEU離脱も争点となる英国総選挙・・・。現地ルポを交え、欧州の今を読み解く。

(本誌:松崎泰弘、西澤佑介、二階堂遼馬、中川雅博、福田 淳、山川清弘)

写真:1816年に起きた難破事故を基にした『メデュース号の筏』(テオドール・ジェリコー)。座礁か生還か、欧州の知恵が問われている(Bridgeman Images/アフロ)(記事中写真:神戸シュン / Press Paris)

 

「シャルリー・エブド」襲撃事件で犠牲者を悼むパリ市民。ペンをささげる人も(神戸シュン / Press Paris)

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2月中旬。フランスで起きた一連のテロ事件で標的になった週刊新聞シャルリー・エブドの旧本社前へ足を運んだ(現編集部は移転)。

パリ11区にある旧本社は、1789年のフランス革命の記念柱が立つバスティーユ広場のやや北側に位置する。当時の民衆が革命ののろしを上げた監獄のあった場所の程近くで事件が起きたことも、国民感情を刺激したのだろう。今回の惨劇はフランスに住む一人ひとりの心を大きく揺さぶった。

旧本社近くの歩道の一角には今も被害者を弔う多くの花などが供えられている。通りの名前を示す標識の上には、「表現の自由広場」というシールが張られていた。

シャルリー・エブド近くの通りの標識には「表現の自由広場」のシールが(神戸シュン / Press Paris)

献花する人の中には、シリアで迫害を受けるクルド人女性の権利を守ろうと闘うグループの姿もあった。「表現の自由は世界の普遍的な価値観。それを暴力で封じようとすることは許されない」。グループのクルド人女性の一人はこう訴えた。

シャルリー・エブド旧本社近くに供えられた花束。「共存」を意味する「Coexist」の文字も(神戸シュン / Press Paris)

1月7日の連続テロ事件から1カ月余り。パリの街は以前の落ち着きを取り戻したように見える。

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